ピンクトルマリン
もう先生は忘れているかもしれない。

あたしが先生を好きだったこと。

だけどあたしは今も思い出に残ってるよ。






春────
あたしは中学生になった。





新しい制服に新しい靴。そして新しいカバン。

桜があたしを歓迎してくれてるみたいな入学式──





お母さんと一緒に慣れない道を歩く。


「いよいよ中学生だね」


お母さんがあたしに話しかけた。
あたしは微笑んで少しバッサリ目に切った髪の毛を耳にかける。

入学式なのでいつもよりショートに切ったのだ。

あまり好きな髪型ではなかったのだが仕方ない。

「うん。超ドキドキする。友達出来るかな」


小学生みたいなことを言いながら歩く。
あたしは人見知りをするから友達があまり出来ない。

だからドキドキなんだ。

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