ピンクトルマリン
バッシュを履きながら話をする益岡先生。

横には谷川先生が座っている。

「先輩らが引退したからお前らは一番上になるんだ。気合い入れてけよ」

ギョロっとした目はいつも下をうつむいていて

あまりあたしたちを見ない。


「じゃあ、それだけ」


相変わらず、そっけない言葉で解散させた。

益岡先生はバスケが上手い訳じゃない。
教え方が上手かったんだ。


そんな訳で谷川先生より信頼していた。

谷川先生は初心者だし。






メニューのポイントを一つ一つ丁寧に教えてくれる益岡先生は

あたしの中で「知ってる人」から「信頼できる先生」に変わっていった。







「「ありがとうございました さようなら」」


部活の終わりに言うお礼を言った。

職員室に入りかけた益岡先生に

「先生ーー!!」

明日香と幸が走って先生のとこに行く。
< 34 / 77 >

この作品をシェア

pagetop