ピンクトルマリン
「体育館に行きますよ」


誰かがそう言ってあたしは立ち上がった。
まだ背の順の並び方じゃなくて名前の順。

あたしは隣にいる松山と言う女の子に話しかけた。

「同じクラスだね、よろしく」

あたしは今までにないくらい笑って言った。

松山さんは笑ってよろしく、と答えた。

「なんて名前?」

松山さんはあたしに聞いた。
「平塚麻奈美。松山さん…?は?」

初対面なので、一応言葉を気をつけて選ぶ。
気の抜けない会話に少し疲労を感じた。

「松山智美。よろしくっ」

割といい雰囲気の智美はあたしに微笑んでくれた。

「入学式、緊張するね。あ、どこの小学校?」

すこし打ち解けてあたしは話しだす。

「南だよ。真奈美ちゃんは?」

「あたし、北。南なんだ」

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