ピンクトルマリン
「平塚、ジャンプシュートはワンハンドでしろ。その方がいいぞ」

横で熱心に教えてくれる。先生の真剣な顔に
時々大きな音をたてて心臓が鳴る。

…ん?
先生が動く度にふわっと石鹸の匂いがする。
いい匂いだな。



…て、あたし変態かも。


「平塚。聞いてたか?」

あ、聞いてなかった。怒られるかな。

「すいません、聞いてませんでした」

すると先生はあたしの頭の上に手を置いた。

─────え!?何!?

先生の触れたとこからぬくもりが伝わって
体内温度が上がっていく。近いから心臓の音が聞こえそうで目をぎゅっとつむる。

さわらないでーっ…






パシンッ




先生はその手の上から叩いた。





え?




目を開けて見上げると先生はいつもの顔。

「次からは聞いとけよ」





あの、全然痛くないですよ?

さわられたとこを撫でてみる。
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