ピンクトルマリン
 
益岡先生はそんなことお構いなしであたしに話しかける。

「平塚は努力家だもんな。きっといい選手になれる」



ドキンッ

胸は大きくその言葉に反応する。

ななななんで!?


「いや…まだまだですよ」


あたしはははっと笑って先生を見た。

先生はあたしを見てた。

目を細めて笑う先生にあたしはときめいてしまう訳で。

そんな自分が嫌になる。なんでコーチに。なんで先生に。

ときめいてしまうんだろう。


「あ、あの!」


あたしはその考えを遮るように大きな声を出した。

「シュートの仕方教えて下さい!」

あたしはひたすらゴールを見ながら話す。

先生を見たらまたときめいてしまうのが嫌で。
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