ピンクトルマリン
指さす方向を見るともういない。本当に幽霊だったの?


「あのな。あそから俺が来たんだ。だから俺の影以外ありえない」

とあきれるように言った。あ、そっか。先生か…

「それより、離れてくれないか」


先生は少し怒ってるような照れてるような口調で言った。

あたしはゆっくり先生から離れる。

抱き…抱き…抱きついてた…?
恥ずかし…!!


「ご、ごめんなさい!」

「いいよ。行くぞ」


振り返って先生は歩く。あたしもその後ろを同じペースで歩く。

今が夜で良かった。昼だったら顔赤いのバレてただろうな。

後ろ姿のジャージの先生はなんだかとも大きく見えた。
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