ピンクトルマリン
自分が生徒だってことが、少し嬉しくなった。

やっぱり好きなのかな。好きなんだろうな。

どうしたらいいんだろう。この気持ちを認めたくないよ。

だって…「普通」でいたい。でも「普通」ってなんだろ?

「平塚、早く」

でも呼ばれる度にドキドキする胸は

心には嘘がつけなかった。

先生をかっこいいと思う気持ちは

偽りなかった。


「はぁい」


そう言って先生のとこまで走る。

走る時に胸がドキドキするけど

走っただけの胸のドキドキじゃない気がして

笑った。


「何笑ってんだ?」

「えへへ、何でもないです」


あたしは適当にごまかして車に入る。

先生の車だあ…

キョロキョロと見回す。思ったより汚くてちょっとガッカリした。
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