ピンクトルマリン
助手席には写真がはってあった。

「これ…どこの中学校ですか?」

集合写真のようなものでみんな幸せそうに笑っていた。

先生も嬉しそうに。


「前教えに行ってた学校だよ。優勝した時のやつ」


絶対上手くなりたい。あたしは思った。

あたしだけ強くなってもしょうがいないけど

先生の…


写真のような先生の笑顔が見たかった。


「そうですか」

あたしはそれだけ言うと前を見た。周りはキラキラと眩いかぎりに街灯が輝いている。


あたしはそんな光景を見ながら

先生の顔を横目に見ていた。






きっとこの思いは膨れるばかりで

伝えることも出来ないんだろうな

そんなちくちくした思いを胸に

また前を見た。
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