ピンクトルマリン
「ただいまー」

と言っても誰も返事しないんだけどね。

お母さんとお父さんは仕事だし

お姉ちゃんは多分寝てる。

弟はきっともうすぐ、遊びから帰ってくる。


薄暗い部屋の電気をつける。


「はぁー…」


少しひんやりするソファーに座り、ため息をついた。

疲れたなー…


先輩…嫌だな。怖いし、自己中だし

走らないくせにいばるし。

部活は好きなのに…行きたくない。


「ただいまー」


玄関から聞こえるお母さんの声。
ガサガサと買い物袋の音も聞こえる。

「おかえりー」


あたしはお母さんの元へ駆け寄り、袋を一個持って台所まで行く。


「真奈美」

「なに?」



学校からもらうプリントを張るコルクボードを見つめて、お母さんは言った。

「これ、どれがいるのかいらないのかわからないから整理しときなさい」

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