ざまぁ代行、承ります。星空の女神は沈黙の第二皇子とお兄様に溺愛されて、代行業に支障を来しているようです。
「皇太子妃……!?」
「叶えたい願いがあったのに、私へ相談するよりも先に悪党の手を取ったのは許せないわ」
「あ、哀れな子羊をどうか!どうか見捨てないでくださいませ……!」
「ミスティナを始末しようとしたくせに、助けを求めるなんて……どれだけ皮の面が厚いの。ありえない。こんな奴の言うことは、聞かなくていいよ。ミスティナを殺害しようとしたことを後悔するくらい、惨たらしく──」
「ディミオ。言い過ぎよ。やめなさい」
ディミオはどうして止めるんだと言わんばかりに瞳を潤ませた。
私が心配なのはわかるけれど、そういう問題ではないでしょう。
彼女は捨て駒。
罪を償うべきは、彼女ではなく主防犯──名前が出てきたアンエム伯爵とイギトフ卿でしょうに。
彼女はこれから罪を償うことになるでしょう。
私がそれ以上を望まなけれは、ディミオだって怒りを収めてくれるはず。
そうだわ。この作戦で行きましょう。
「矛先を、間違えてはいけないわ。彼女にはいずれ、然るべき罰が下る。ディミオが直接手を下す必要性などないのよ」
「星空の女神は、優しすぎる……」
「私の優しさに惚れたのなら、あなただって他人に優しくするべきだわ」
「……彼女を、見逃すのかい」
「彼女に対する罰は、生きたまま苦しみを味わわせること。罪を償わせることなくその命を奪うよりも、よほど苦しく険しい道よ」
「どんな罰も喜んで受けます!だから妹を……!」
「生きていれば、こちらで保護するわ。すでに亡くなっていたら、丁重に亡骸を葬ることしか、出来ないけれど」
「え……」
妹が助かるなら、と……。
なりふり構わず助けを求められても、亡くなった人間を救うことなど、代行人には難しいのよね。
蘇生魔法が使える人もいると聞くけれど──亡くなった人間を生き返らせることは神に背く行いだわ。彼女に救いを求められたとしても、私にできることはない。
「な、亡くなったって……?私は、約束したんです!皇太子妃を始末すれば、妹を助けると……!」
「白昼堂々私に牙を向いた時点で、成功しようが失敗しようが貴方は拘束されるでしょう。妹を助けるメリットが、どこにあるの?」
「え……メリット、って……」
「貴方が逃げ果せたとしても、妹をもっと酷い目に合わせて、貴方を揺する方がよほど利益になるわよね」
「そ、そんな……」
哀れな子羊を騙り、私を加害しようとした。
その罪は、自分のしてきた行いがどれほど恐ろしいことだったのかを自覚することで、贖ってもらうわ。
涙を流す哀れな子羊もどきを冷たく見下した私は、ディミオに抱き抱えられるまま、その場を後にした。
「叶えたい願いがあったのに、私へ相談するよりも先に悪党の手を取ったのは許せないわ」
「あ、哀れな子羊をどうか!どうか見捨てないでくださいませ……!」
「ミスティナを始末しようとしたくせに、助けを求めるなんて……どれだけ皮の面が厚いの。ありえない。こんな奴の言うことは、聞かなくていいよ。ミスティナを殺害しようとしたことを後悔するくらい、惨たらしく──」
「ディミオ。言い過ぎよ。やめなさい」
ディミオはどうして止めるんだと言わんばかりに瞳を潤ませた。
私が心配なのはわかるけれど、そういう問題ではないでしょう。
彼女は捨て駒。
罪を償うべきは、彼女ではなく主防犯──名前が出てきたアンエム伯爵とイギトフ卿でしょうに。
彼女はこれから罪を償うことになるでしょう。
私がそれ以上を望まなけれは、ディミオだって怒りを収めてくれるはず。
そうだわ。この作戦で行きましょう。
「矛先を、間違えてはいけないわ。彼女にはいずれ、然るべき罰が下る。ディミオが直接手を下す必要性などないのよ」
「星空の女神は、優しすぎる……」
「私の優しさに惚れたのなら、あなただって他人に優しくするべきだわ」
「……彼女を、見逃すのかい」
「彼女に対する罰は、生きたまま苦しみを味わわせること。罪を償わせることなくその命を奪うよりも、よほど苦しく険しい道よ」
「どんな罰も喜んで受けます!だから妹を……!」
「生きていれば、こちらで保護するわ。すでに亡くなっていたら、丁重に亡骸を葬ることしか、出来ないけれど」
「え……」
妹が助かるなら、と……。
なりふり構わず助けを求められても、亡くなった人間を救うことなど、代行人には難しいのよね。
蘇生魔法が使える人もいると聞くけれど──亡くなった人間を生き返らせることは神に背く行いだわ。彼女に救いを求められたとしても、私にできることはない。
「な、亡くなったって……?私は、約束したんです!皇太子妃を始末すれば、妹を助けると……!」
「白昼堂々私に牙を向いた時点で、成功しようが失敗しようが貴方は拘束されるでしょう。妹を助けるメリットが、どこにあるの?」
「え……メリット、って……」
「貴方が逃げ果せたとしても、妹をもっと酷い目に合わせて、貴方を揺する方がよほど利益になるわよね」
「そ、そんな……」
哀れな子羊を騙り、私を加害しようとした。
その罪は、自分のしてきた行いがどれほど恐ろしいことだったのかを自覚することで、贖ってもらうわ。
涙を流す哀れな子羊もどきを冷たく見下した私は、ディミオに抱き抱えられるまま、その場を後にした。