ざまぁ代行、承ります。星空の女神は沈黙の第二皇子とお兄様に溺愛されて、代行業に支障を来しているようです。
「きゃあ!マリスティも、お父様とお母様みたいな甘々ラブラブ生活が送りたーい!」
「マリスティには、まだ早いよ」
「お姉様やロスメルの息子はどう?」
「お父様みたいじゃないからやだー」

 娘はディミオが大好きで、婚姻するならディミオのような男性じゃなければ嫌だと首を振る。マリスティは現在6歳。
 立派なファザコンに成長してしまった。
 いつかは親離れすることになるだろうが、このままファザコンを貫くようでは問題だ。

「ミ、ミスティナ様!ご家族団らんの中、大変申し訳ございません……!ご来客です!」
「あら、ツカエミヤ」

 ディミオはミスティナと出会った時から、彼女を愛している。
 娘のことは愛しているが、ディミオの一番は常にミスティナだ。マリスティが一番になることはないだろう。

「アンバーお兄ちゃん!」

 ミスティナに来客を告げたのは、侍女のツカエミヤだ。後方には、従者アンバーの姿がある。
 アンバーの姿を見つけたマリスティは、彼を兄と呼んでミスティナの腕から飛び出していった。
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