ざまぁ代行、承ります。星空の女神は沈黙の第二皇子とお兄様に溺愛されて、代行業に支障を来しているようです。
「ミ、ミスティナ様!お気を確かに!」
「だ、大丈夫よ……ツカエミヤ……」
「野蛮な自称お兄さんに、ミスティナは任せられないな」
「それはこっちの台詞だ!バーカ!ミスティナは見ての通り、具合が悪い。さっさと出てけ!」
「ミスティナとの婚姻は王命だと言ったのが、聞こえなかった?独り占めなんてさせないよ。ミスティナが体調を崩したなら、おれも看病する」
「はぁ?婚姻する前からミスティナの旦那ズラしてんじゃねぇよ!」
「君が兄を名乗る限り、俺とミスティナの仲を引き裂く権利はないよね。兄妹同士の婚姻は、神に対する冒涜だ」
「知るかよ。んなもん、律儀に守ってられるか!」
「ひゃあ!ミ、ミスティナ様の清らかなる魂が……!」
お兄様に強く抱きしめられすぎて、意識が遠のいた私を確認したツカエミヤが悲鳴をあげる。
お兄様と殿下はほぼ同時に私の異変に気づき、お兄様は大慌てで私を抱き上げた。
「クソが。退け!」
「ミスティナ……」
「おい、侍女!水もってこい!」
「ただいま……!」
お兄様が私を抱き上げことに、殿下が羨ましがって言い争いになるとばかり思っていたのだけれど……。
私に命の危機が迫っていると勘違いした彼らは、二手に分かれると、見事な連携プレイで私をベッドの上へ移動する。
先程までいがみ合っていたのに。
私のことになると、息をぴったり合わせられるなんて……驚いたわ。
笑い事ではないけれど……侍女のように布団を剥ぎ取り、私をシーツの上に横たえる準備を始めた殿下は、見ていて面白かった。
「ミスティナ、ごめんね。君は身体が弱いのに……」
私の設定を信じている殿下は、ツカエミヤが用意したベッド脇の丸椅子に腰掛け私の手を握り、今にも泣き出しそうな顔をした。
泣き虫殿下は、1週間程度じゃ改善できなかったようね。
「大丈夫よ……抱きしめる力が強すぎて、潰れてしまいそうになっただけ……」
「……野蛮な自称兄と、16年も一緒に暮らしていたなんて……よく無事だったね。安心して。これからは、おれがミスティナを守るから」
「殿下……」
「おい、いい雰囲気作ってミスティナを誘導してんじゃねぇよ。俺の許可なく触んな。手を退けろ」
「君はまたそうやって、ミスティナを抱き潰そうとする……。ベタベタと許可なく妹に触れるのは、どうかと思う」
殿下は我慢してきた分だけ私に触れたくて仕方ないようで、ベッドの上に乗って私の隣に横たわり、背中から優しく抱きしめるお兄様に苦言を呈した。
恨みがましそうな瞳は、年相応ね。
殿下は、どこにでもいる普通の男性だわ……。
「だ、大丈夫よ……ツカエミヤ……」
「野蛮な自称お兄さんに、ミスティナは任せられないな」
「それはこっちの台詞だ!バーカ!ミスティナは見ての通り、具合が悪い。さっさと出てけ!」
「ミスティナとの婚姻は王命だと言ったのが、聞こえなかった?独り占めなんてさせないよ。ミスティナが体調を崩したなら、おれも看病する」
「はぁ?婚姻する前からミスティナの旦那ズラしてんじゃねぇよ!」
「君が兄を名乗る限り、俺とミスティナの仲を引き裂く権利はないよね。兄妹同士の婚姻は、神に対する冒涜だ」
「知るかよ。んなもん、律儀に守ってられるか!」
「ひゃあ!ミ、ミスティナ様の清らかなる魂が……!」
お兄様に強く抱きしめられすぎて、意識が遠のいた私を確認したツカエミヤが悲鳴をあげる。
お兄様と殿下はほぼ同時に私の異変に気づき、お兄様は大慌てで私を抱き上げた。
「クソが。退け!」
「ミスティナ……」
「おい、侍女!水もってこい!」
「ただいま……!」
お兄様が私を抱き上げことに、殿下が羨ましがって言い争いになるとばかり思っていたのだけれど……。
私に命の危機が迫っていると勘違いした彼らは、二手に分かれると、見事な連携プレイで私をベッドの上へ移動する。
先程までいがみ合っていたのに。
私のことになると、息をぴったり合わせられるなんて……驚いたわ。
笑い事ではないけれど……侍女のように布団を剥ぎ取り、私をシーツの上に横たえる準備を始めた殿下は、見ていて面白かった。
「ミスティナ、ごめんね。君は身体が弱いのに……」
私の設定を信じている殿下は、ツカエミヤが用意したベッド脇の丸椅子に腰掛け私の手を握り、今にも泣き出しそうな顔をした。
泣き虫殿下は、1週間程度じゃ改善できなかったようね。
「大丈夫よ……抱きしめる力が強すぎて、潰れてしまいそうになっただけ……」
「……野蛮な自称兄と、16年も一緒に暮らしていたなんて……よく無事だったね。安心して。これからは、おれがミスティナを守るから」
「殿下……」
「おい、いい雰囲気作ってミスティナを誘導してんじゃねぇよ。俺の許可なく触んな。手を退けろ」
「君はまたそうやって、ミスティナを抱き潰そうとする……。ベタベタと許可なく妹に触れるのは、どうかと思う」
殿下は我慢してきた分だけ私に触れたくて仕方ないようで、ベッドの上に乗って私の隣に横たわり、背中から優しく抱きしめるお兄様に苦言を呈した。
恨みがましそうな瞳は、年相応ね。
殿下は、どこにでもいる普通の男性だわ……。