ざまぁ代行、承ります。星空の女神は沈黙の第二皇子とお兄様に溺愛されて、代行業に支障を来しているようです。
従者は顔色一つ変えないけれど──ディミオは従者と違って、とても表情豊かなのよ。同じ格好をしたまま、無言で突っ立っていられたら見分けがつかないけれど……少しでも表情筋を動かしてくれたら、どちらがディミオであるかはすぐにわかる。
「皇太子としての公務をほっぽり出して、ミスティナとずっと一緒に居たがるおれは嫌い?」
「ええ、そうね。好きになる要素がないわ」
「ミスティナ様……!」
「ミスティナは、どんなおれだったら好きになってくれるの?」
男性に対する明確な好みなど、私には存在しないけれど……。私の自由を手に入れる為には、ここでディミオのやる気を、しっかり引き出しておかないと駄目よね。
私はディミオのやる気を引き出しため、思ってもみないことを告げた。
「皇太子としての職務を全うし、私ではなく民のことを第一に考える人だとわかれば、見直すかもしれないわ」
「職務を全うなんかしたら、ミスティナに会える時間が1週間に一度しかなくなってしまう……」
ディミオはショックを受けたように項垂れる。
私は少しだけ不憫になり、はじめて私から彼の頭に触れた。
「ミスティナ……?」
「ディミオは今、やらなければいけないことを放棄してずっと私のそばにいる。それはいけないことなのよ。わかるでしょ」
「でも……おれは……。ミスティナの姿が見えないと……不安なんだ……。流れ星は……瞬きする瞬間に、消えてしまうだろ……?」
「私がいつ、流れ星になったのよ。私は星空の女神なんでしょう?星空の女神は、流れ星のように消えたりしないわ」
流れ星は上から下、右から左へ、恐ろしいスピードで流れては消えていく。
星空に例えられたその次は、流れ星に例えられるとは思わなくて──冷静に諭してしまったじゃない。
もう。ディミオを勇気づけてどうするの。
彼が公務へ真面目に取り組むと宣言してくれないと、私の自由は得られないのに……。
「ミスティナは……星空の下で、流れ星のように現れて、おれの手からすり抜けて行った……」
「私は貴方の妻よ。貴方のものになったのだから、貴方の手からすり抜けて、どこかに行くようなことはしないわ」
よくもまぁ、ペラペラと。
嘘が飛び出てくるものだと、自分でも感心してしまうわ。
ディミオが私のそばから離れた瞬間から、彼の元を離れる気満々だと言うのに──。
「皇太子としての公務をほっぽり出して、ミスティナとずっと一緒に居たがるおれは嫌い?」
「ええ、そうね。好きになる要素がないわ」
「ミスティナ様……!」
「ミスティナは、どんなおれだったら好きになってくれるの?」
男性に対する明確な好みなど、私には存在しないけれど……。私の自由を手に入れる為には、ここでディミオのやる気を、しっかり引き出しておかないと駄目よね。
私はディミオのやる気を引き出しため、思ってもみないことを告げた。
「皇太子としての職務を全うし、私ではなく民のことを第一に考える人だとわかれば、見直すかもしれないわ」
「職務を全うなんかしたら、ミスティナに会える時間が1週間に一度しかなくなってしまう……」
ディミオはショックを受けたように項垂れる。
私は少しだけ不憫になり、はじめて私から彼の頭に触れた。
「ミスティナ……?」
「ディミオは今、やらなければいけないことを放棄してずっと私のそばにいる。それはいけないことなのよ。わかるでしょ」
「でも……おれは……。ミスティナの姿が見えないと……不安なんだ……。流れ星は……瞬きする瞬間に、消えてしまうだろ……?」
「私がいつ、流れ星になったのよ。私は星空の女神なんでしょう?星空の女神は、流れ星のように消えたりしないわ」
流れ星は上から下、右から左へ、恐ろしいスピードで流れては消えていく。
星空に例えられたその次は、流れ星に例えられるとは思わなくて──冷静に諭してしまったじゃない。
もう。ディミオを勇気づけてどうするの。
彼が公務へ真面目に取り組むと宣言してくれないと、私の自由は得られないのに……。
「ミスティナは……星空の下で、流れ星のように現れて、おれの手からすり抜けて行った……」
「私は貴方の妻よ。貴方のものになったのだから、貴方の手からすり抜けて、どこかに行くようなことはしないわ」
よくもまぁ、ペラペラと。
嘘が飛び出てくるものだと、自分でも感心してしまうわ。
ディミオが私のそばから離れた瞬間から、彼の元を離れる気満々だと言うのに──。