相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「………」
里海は、無言で翔琉を見上げた。

「ん?サトちゃん?」

「カケくんだって!」

「え?」

「カケくん、カッコいいから私、気が気じゃないんだよ?
さっきも、カケくん見られてたんだよ?」

「僕はいいの!確実にかわせるから!」
「私だって……!かわせるもん……」
最後の方の言葉が、弱々しくなる。

「無理でしょ?手ぇ掴まれたら、勝てないよ!
男の力には」
「え?
でも、さっきもちゃんとかわしてきたし…」

「ん?そうかな~?
じゃあ今、僕の手、振り払ってみて?
絶対!振り払えないから」
「うん。
んーー!!!」
顔を真っ赤にして、かなり力を入れている里海。
掴まれていない方の手も使い、翔琉の手を外そうとするがびくともしない。

当の翔琉は涼しい顔して、しかも片手で握ったままだ。
「ほらね!(笑)」

「うー」

「フフ…里海ちゃん、可愛い~」
「まぁ、無理だよな?
翔琉の手を振り払うなんて(笑)」

それから四人は、子どものようにはしゃぎ遊んだ。


「━━━━腹、減らね?」
「だな!
なんか食べようぜ!」

「どうする?人、多いよ?」
「ほんとだね」

「向こうの木陰で食うのは?」
「みんな、そうしてるし!」

それぞれ買って、木陰に移動する。

「サトちゃん、僕の膝の上においで?」
「え?/////い、いいよぉ/////隣に座るから!」

「でも、アスファルト熱いよ?
ガタガタしてて、痛いし。ね?」
「でも、土田くん達もいるし…恥ずかしい/////」

「いい、か、らっ!」
里海の手を掴み、引っ張った。
翔琉に引っ張られるまま、膝の上に収まる。

「はぁー、落ち着く……」
そして、後ろからギュッと抱き締められた。

「ほんとやだ/////
恥ずかしい、暑い、重い!」

「僕もやだ。離さないよ!
てか、わかってるでしょ?
サトちゃんは、僕を振り払えないんだから!」

「暑いな」
「暑いなぁー(笑)」

「あ…ご、ごめんなさい!
カケくん、離れよ?」

「やだ!」

「里海ちゃん、気にしないで?
俺達は大丈夫だから!」
「俺も、気持ちわからなくもないし(笑)」

(えー!!普通、こんなの嫌だよ!)
幸生と雷武にまでこんなことを言われ、益々里海は離れられなくなるのだった。
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