相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
一方の里海。

「なっちゃん!これ、見て!」
課長で友人でもある渡里(わたり)に呼ばれた、里海。

里海は、渡里を含めて社員達に“なっちゃん”と呼ばれている。
旧姓の夏尾のあだ名だ。

「はい!
━━━━━あ!このデザイン、良いですね!」
「でしょ?
でも、もうワンポイント欲しいの。
なっちゃんなら、どうする?」

「うーん……何かワンポイント増やすより、もう少しインパクトがあった方が良いじゃないかな?
色合いを明るくしたらどうでしょう?
赤とか、黄色とか!
ちょっと派手めの方がいいかもです!」

「そうね!
ちょっと、検討してみるわ!ありがと!」
「いいえ!」

「それより!
新婚生活はどうよ?」
「え?幸せですよ!」

「フフ…ノロケられたぁー(笑)」
「フフ…課長が聞いてきたんですよ?(笑)」

「フフ…その新婚ホヤホヤのなっちゃんに、相談があるの!」
「え?はい、何ですか?」

「だから、ランチ一緒しない?」
「はい!もちろん!
あ、でも私、お弁当なんですが……」

「あ、だったら、外で食べない?
今日、暖かいし!」
「はい!」


そして、ランチの時間になり━━━━━━

『「え!?結婚!!?」』

翔琉と里海。
別々の場所で、それぞれ佐越と渡里に同じ相談を受けていた。

ちなみに、佐越と渡里は交際している。
互いに、翔琉と里海に紹介された者同士だ。

『「年の差って、どう思う?」』


こちらは翔琉と佐越。

「年の差?
僕は、気にならないよ」
「でも、20も離れてんだぜ?」

「うん。それが何か?って感じ」
「井澤はさ。
タメだしいいよなぁー」

「は?佐越はさ、年齢ごときで諦めるの?
そんな程度の気持ちなら、結婚やめなよ」
「いやいや…気にしてんのは、彼女の方!」

「だったら、佐越がその不安を取り除いてあげないとじゃない?」
「わかってるよ。
井澤なら、どうする?
里海ちゃんと年の差があったら」

「どうって……
何も変わらないよ?
プロポーズ、し続ける!
前に話したことあるよね?
僕、サトちゃんと出逢ってすぐの段階から、プロポーズしてたって」

「あ、あぁ。そうだったな」

「一目惚れしてさ。
とにかく、好きで好きで堪んなくて……
離れたくなくて、毎日プロポーズしてた。
“サトちゃん、結婚して?”って。
━━━━だから、佐越も言いなよ!
“年の差なんて関係ない。結婚して?”って」
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