相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
定時で帰ってくるなら、もうそろそろ帰りつく時間。

味噌汁を作った後、ベランダで煙草を吸いながらサトちゃんの写真を見ていた僕。

煙草を灰皿に潰し、部屋に戻った。

するとタイミング良く、サトちゃんが帰ってきた。

「カケくん、ただいま」
かなり疲れた顔のサトちゃん。

そのままソファに崩れるように座った。

「おかえり!
サトちゃん、うがいと手洗いしなきゃだよ!」
「うん」

しかし、動こうとしない。

「サトちゃん」
「うん、するよ。うがい、手洗い」

「………」
「………」

「サトちゃん、早くギューとチューしよ?」

「わかってます!」

機嫌が悪い。

僕はそんな時、ただ黙って待つようにしている。

サトちゃんの隣に座り、サトちゃんを見つめる。
サトちゃんは、一点を見つめお腹をさすっていた。

サトちゃんを見つめていられるなら、こんな時間も全く苦じゃない。

きっとサトちゃんのことだ。
生理中だなんて思われないくらい、笑顔で一生懸命仕事をこなしたのだろう。

だから家に帰ると、いつにも増してぐったりする。

早くギュッてして、キスしたいな。
サトちゃんの頭を撫でて“仕事、お疲れ様”って言ってあげたい。

でも機嫌が悪い時は、黙ってひたすら待つしかない。
ここで例え気遣いのためでも、声掛けや勝手に頭やお腹をさすったりすると、サトちゃんを怒らせるだけだから。


しばらくして、やっとサトちゃんが動き出した。
ゆっくり立ち上がり、リビングダイニングを出ていく。
僕は安心したように息を吐いて、夜ご飯を準備し始めた。
といっても、味噌汁を温めるだけだけど(笑)

洗面所から戻ってきたサトちゃんが、僕に両手を広げて言う。
「カケくん、ギュッてして?」

とても嬉しくなる。
駆け寄り、サトちゃんを抱き締めた。
そして、頭をゆっくり撫でて“仕事、お疲れ様!”と言う。

サトちゃんもしがみつくみたいに、僕にすり寄ってくる。
それがまた嬉しい。

「サトちゃん、ご飯食べよ?」
「うん…」

チェアに座り、やっぱりサトちゃんはただ…ご飯と味噌汁を見つめる。

「サトちゃん、ちゃんと食べたら苺がたっぷり入ったフルーツサンド食べれるよ?」

「え?苺?」

「うん、苺!
食べたいでしょ?」

「うん。苺食べたい」

「じゃあ、食べて?」

「うん、食べる」

やっと食べ始めたサトちゃんを見て、僕も漸く食事に手をつけた。
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