相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「サトちゃん、今日ランチは何食べたの?」

「ん?ケーキ」

「ケーキ?また?
ご飯は?」

サトちゃんのお気に入りのスイーツショップにある、苺のショートケーキのことだ。

「食べてない」

「……ったく…ダメだよって言ったよね?
しっかり食べろとは言わないけど、せめてちゃんとした食事にしなって!」

「うん」

「フルーツサンド明日に回しちゃうよ?」

「え?やだ…」

「でしょ?
だから、ちゃんと食べてね!」

「うん、わかった」


夜ご飯を食べ終わる。
「カケくん、ありがとう。
美味しかった。ごちそうさま」

「ん。
じゃあ、フルーツサンド持ってくるね!
食べれる?」
「うん、食べる」

冷蔵庫から取り出し、サトちゃんの前に出す。
少しサトちゃんの顔がほころんだ。

「食べていい?」
「うん、どうぞ?」

小さな口でパクッと食べる、サトちゃん。

可愛い……!

「ん…美味しい!」
「フフ…良かった!」

「これ、小さくて食べやすいね。
何処のサンドイッチ?」

「会社近くの大通りに来る、移動販売のだよ!」
「へぇー!
カケくん、ありがとう!」

微笑むサトちゃん。
買って良かった!

後は片付けて、風呂に入ってサトちゃんを抱き締めて寝るだけ。
(もちろんサトちゃんが眠るまで、お腹をさすってあげてからだけど)

生理の時の一日はこんな感じ。

大変だけど、日頃頑張ってるサトちゃんのためならなんてことない。


でも、唯一こんな僕でも困ることがある。
それは━━━━━━

生理の時毎回ではないが、夜ご飯を片付けてサトちゃんとソファでゆっくりしてる時。
会社から電話がかかってくることがある。

その時、サトちゃんをなだめるのが大変なこと。


今回も、かかってきた。
サトちゃんの生理が三日目の夜。

サトちゃんが入った後、僕がお風呂に入って戻るとサトちゃんがソファに横になっていた。

何かを握りしめている。
僕はすぐ、何を握りしめているかわかった。

「サトちゃん」
「何?」

「その手の中の物、ちょうだい!」
「やだ」

「僕のスマホだよね?
サトちゃんが握りしめてるってことは、電話がかかってきたんでしょ?
貸して?」

「………」

例えば幸生や雷武達、友達からなら別に問題ない。
後から、かけ直せばいいから。

でも、佐越や他社員からならそんなわけにはいかない。
緊急ってことも考えられるし。
< 46 / 62 >

この作品をシェア

pagetop