相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「そんな…もう、やめよ?謝るの。
三好ちゃん、十分反省してるんだし!ね?」

「うん、ありがとう…!」

「でも、喧嘩かぁー
嫌だよね……彼氏と喧嘩なんて……
私も、仕事とか手につかなくなるかも?(笑)」

「でもなっちゃんと旦那さんは、喧嘩とかしなさそう(笑)
私達もね、めったにないんだよ?
でも彼が行った飲み会に女性がいて…
私、嫉妬しちゃってつい…責めるみたいな言い方しちゃったの…」

「え?飲み会?女性?」

里海は咄嗟に、今日の翔琉の同窓会なことを頭を浮かべた。

「彼はほとんど女性とは話さないって言ってたけど、お酒が入るわけだし、わからないでしょ?」

「え?そ、そうだよね…」

「もちろん、浮気をするなんて思ってないよ?
でも、何かのきっかけで二人っきりになって、魔が差して━━━━━」
「あーあーあー!やめて!!」

「え!?なっ…ちゃん…?」

「はっ!!?ご、ごめんね!」
つい、翔琉のことを考え不安になっていた。

「ううん。
なっちゃん、旦那さんのこと思い浮かべてたの?」

「あ、いや…」

「なっちゃんの旦那さんは、そんなことないと思うよ?
旦那さん、なっちゃんにベタ惚れなんでしょ?
大丈夫、大丈夫!」


そうは言われたが、心配でしかたがない。
もう一度、注意するようにメッセージを送っておこうか━━━━━━

「でもなぁ…あんまりしつこいと、それこそ嫌われるよね……」
スマホを握りしめ、独り言を呟く。

「ちょっと、なっちゃん!!
何してるの!?
この資料、早く纏めて!!」
渡里の声を荒らげる声が、里海の耳に響いた。

「あ、ご、ごめんなさい!!すぐに!」

今日の仕事はとても忙しく、里海は急いで仕事に戻った。


「━━━━はぁ…やっと、終わった……」
少し残業をして、仕事を終わらせた里海。

疲れきった顔で、帰路につく。

「カケくんに会いたい…」

こんな疲れた日は、翔琉に抱き締めてもらいたい。
いつものように、少し苦しいくらいに力強く。
そして、息が出来ないくらいのキスがしたい。

しかし今日は、帰ってもまだ翔琉はいない。

そう思うと、益々会いたくなる。

「………
確か……◯◯ホテルって言ってたよね……」

里海は踵を返し、翔琉のいるホテルの方に歩みを進めた。
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