相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「慶治くん、送ってくれてありがとう!」

「ううん!
一人で帰せないもん!ナツミちゃんは、可愛いから!」

「もう!(笑)褒めるの上手いなぁ~」

「本当のことだよ!
だって、ナツミちゃんと付き合ってた一年間半は、僕にとって奇跡みたいな期間だったから。
僕なんかとナツミちゃんみたいな可愛い子が付き合えたなんて、未だに信じられないくらい。
先輩はスッゴいイケメンだったでしょ?
きっと、旦那さんもイケメンなんだろうなぁー」

「カッコいいよ、とっても!」

「やっぱり!」

「でも、慶治くんだってカッコ良かった!
穏やかで、優しくて、いつも屈託なく笑ってて…!
とっても素敵な人だった!
凌央くんのことで、正直…死んでしまいたいって思ってた私に、幸せをくれた!
感謝してるの!スッゴく!
旦那さんね。
慶治くんと笑った顔が似てるんだよ?
目が細くなって、ちょっとシワが出来るとこ。
初めて旦那さんに逢って、笑った顔見た時、慶治くんを重ねたの。
…………あ!これは、二人だけの秘密ね!」

「そっか!
なんか、嬉しいな!」


そして、慶治が里海に手を差し出し言った。
「━━━━━ナツミちゃん、今日は会えて良かった!
お幸せに!」

里海も、慶治の手を握り言う。
「私も!
頑張って、素敵なお医者さんになってね!
かげながら、応援してるよ!」

慶治は、小さく手を振り去っていった。

里海は自宅に帰り、アルバムを広げていた。
「フフ…懐かしいなぁ~」
そして、慶治との思い出にふけっていた。


それから約二時間後━━━━━

翔琉が帰ってきた。
「サトちゃーん!ただいまー!」

やけに、シンとしている。
いつもなら、見る見ないは関係なくテレビの音がしているはず。

怖がりな里海。
音がない部屋に一人でなんて、怖くて居られない。

「寝てるとか?」

しかし今朝のメッセージにあった通り、起きて待つと言ったら、絶対起きて待ってるような子だ。

首をかしげながら、翔琉はリビングダイニングに入った。
里海は、ソファに座り何かを見ていた。

翔琉は咄嗟に、ミヤショウの写真集を見ていると思った。
静かに近づき、後ろから里海が広げているものを見た。

「は?」
翔琉の出た一言に、里海がバッと振り向く。

「きゃぁぁーー!!!?」
そしてビックリして、奇声をあげた。
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