幼馴染が邪魔をする

4.




次の日、待ち合わせ場所に着けば

まだ彼氏は来ていないらしい

時計を見れば予定まで15分程あった

私が早く来ちゃったのねと

スマホを意味もなくいじり時間を潰す



予定時刻から30分経過

遅い。なにしてんの?連絡もなしに?

メッセージアプリで何件も連絡した

が、一向に返事は返ってこない

寧ろ読んだ形跡すら付かない

あと30分は待ってやろう。と

既にイライラし始めていた



『…アイツらなら遅刻なんてないのに』



これはいつも無意識だ

小さい頃からいるから

どうしても比べてしまう私の悪い癖

反省反省。と思いつつも

予定時刻から1時間経った

時期的な暑さも相まって怒りゲージは

もうすぐ爆発寸前



「熱中症で倒れんぞ」

『えっ、冷た!?』



頬に当てられたのは

おそらく買ったばかりであろう水



『啓悟…』

「なに、昨日のあれ?」

『あ、そう、デート…の予定だったんだけど…』

「どうした?」



何かあったのか?と覗き込まれる



『連絡も返ってこないし暑いしで、ムカついてたとこ』

「そっか、それはムカつくよな!
お前小さい頃から暑いとこ得意じゃないんだから
無理すんなよ」



怒りを通り越して涙が出そうになってれば

被っていた帽子をポスッと被せられる

私が怒っていたり泣きそうな時は

いつも全部肯定して優しくしてくれる

だから嫌いになんてなれない



「とりあえず涼しいとこ移動すんぞ
その間に連絡くるだろ」

『…ん』



手を引かれ近くの店へと入る


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