朝型ちゃんに一目惚れ
「俺、この前出た新曲のバラード覚えたんだ〜!」

「どうせロボアニメのだろ??よっしーなんか、聴かせる相手もいねぇくせに〜」

「あはは!」

 男三人、女の子二人、からかい合いながらカラオケに向かう。


 着くと、久々のカラオケにテンションは皆上がっていた。

「次、よっしー、な〜!」

「何入れたの?」

「え?まずは普通にロボ……」

「お前お得意のアレ〜?うわぁぁ!」

 久々のカラオケに盛り上がる。

 俺はひそかに、
 この子はどんな歌を歌うんだろう、
と、陽菜ちゃんをチラッと見ながら思った。


「次、吉田妹の番ね!」

 渡瀬がマイクと検索機を渡しながら陽菜ちゃんに言う。

「え!?私ですか!?」

「よっしーのアレ終わったし、まだ誰も決まらないし、まあ、よっしーの隣にいるしね!」

「どうしよう、えぇと……」

 陽菜ちゃんはそう言うと曲選びに必死になった。

「すいません、じゃあ……これで!」

 悩んで一曲選び掛かった曲は、少し前に流行った女性アイドルの歌だった。

 少したどたどしいけど、とてもきれいな声。
 聴いていて、なんだかすごくドキドキした。

「吉田妹、結構上手いじゃん!!」

「陽菜ちゃんすごいね〜!」

「…!!」

 俺は言葉も出てこない。
 一目惚れなんて自分には縁が無いと思っていたのに、俺は陽菜ちゃんに一気に夢中になった。
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