紳士な若頭の危険な狂愛
第三章 テリトリー
着いた場所は湾岸に建つ高層マンション。
広いエントランスに車は停まり、運転していた男性がドアを開けた。
「今日はもう戻って良いですよ。
彼女を帰らせるときにはタクシーを呼ぶので」
美東さんがそう言うとお疲れ様です、と頭を下げる男性に私も頭を下げた。
二重になっているドアをくぐるとエントランスロビーは開放的で、夜だがオシャレなシャンデリアが真っ白な壁と置いてある真っ白なソファーとテーブルが反射して眩しいほど。
高層階用のエレベーターは別にあることに驚き、また降りた階が43階という事に再度驚いた。
「どうぞ」
落ち着いた色合いのドアを開けると、広々とした玄関。
彼は私を促して中に入れてくれた。