紳士な若頭の危険な狂愛
「助けに来て欲しいと、美東さんの名前を心の中で呼んでました。
そうしたら、貴方は来てくれた」
私の手を離し、彼がその甲にキスを落とす。
普通の男性がすればキザなだけの行為。
でも紳士に思える美東さんがするのはしっくりときた。
「私はヤクザなのだと伝えましたね」
「はい」
「それでも貴女は今、嬉しそうに見える」
「嬉しいですから」
薄暗い部屋で、彼の表情がわかる。
綺麗で優しげな顔。
だけど、綺麗な唇の端が上がった。
「嬉しい、ですか。
貴女は、怖い思いをした際に私に出会ったせいで、
勘違いを起こしているだけですよ」
「そんなことはありません。
だって助けてくれたことは事実です。
美東さんは私にとって・・・・・・」