紳士な若頭の危険な狂愛
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約束の三週間後の日曜日。
それまで私は今まで通りに仕事をした。
時に社長と二人でご飯をし、絵理奈ちゃんのその後を聞いたりもした。
わかっていた、そんな時間を作って私がヤクザと関係していないか様子見していることは。
むしろ三週間空いたおかげで、社長も私はもうヤクザと関係が無いと信じてくれたようだった。
今日のために少しでも大人っぽくなろうとワンピースを新調した。
落ち着いた紺色がベースのワンピースだ、セール品だけれど。
少しヒールのある靴を履き、電車を乗り換え美東さんの住むタワーマンションに着いた。
きっと朝はゆっくり過ごしたいのでは無いだろうか。
そう思って着いたのは十一時少し前。
時間も決めておけば良かったと思いつつも、あの時はそこまで頭が回らなかった。
マンションの大きなガラスドアの前にあるオートロックの機械に鍵を刺す。
だが一切ドアが開かない。
鍵は鍵穴に入るのに、ドアが開かなくて困惑する。
もしかして壊れているのだろうか。
部屋番号を押しても反応は無い。
再度鍵を試しているとドアが開く。
やっと開いたのかと思ったら、紺色のスーツを着た女性が不審そうな表情で私に近づいてきた。