紳士な若頭の危険な狂愛

見る目がなかったと嘆く美香をなだめ地下鉄駅まで送り、私は地上の別の駅に向かうために歩いていると腕をつかまれ路地に引きずり込まれた。

「お前さ、何してくれんだよ」

恐ろしい顔で私の腕をつかんでいたのは最上だった。
突然のことに私は硬直する。
繁華街だが狭い路地で薄暗い。
路地の奥には人がいるのに、こちらの存在など見えないかのように無視している。
そこでここが危険なエリアだと気づいた。

「100万、あんたが用立ててよ」
「無理ですし、そもそも関係ありません」

唇が震えそうになっているのを気づかれたのか、最上がにやっと笑う。

「俺さ、ヤクザなんだよね」

腕をつかむ力が強くなった。

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