紳士な若頭の危険な狂愛
第四章 覚悟
午後一時、大きな邸宅の前に、私は立っていた。
グレーの壁が家の周囲を覆い、いくつも防犯カメラが見える。
間違い無ければこの家が『藤代組の本部』であるはず。
美東さんが姿を消した後、私はすぐに藤代組の事を調べることにした。
今までも時折調べていたけれど、それは美東さんの事ばかりだった。
だが今回は本部の場所だ。
有名な地図サイトでは、著名人など大きな邸宅は当事者の申し立てにより画像の地図などでモザイクをかけられている。
それらしき場所をネットでいくつか見つけ、私は一番可能性の高いであろう場所に来た。
この都市で仕切っているのなら、本部もこの都市にあるはずだから。
呼吸を整え、自分の身長を軽く超える大きな扉の横にあるインターホンを押した。
「・・・・・・はい」
「突然の訪問、申し訳ございません。
私、一谷綾菜と申します。
美東さんにお会いしたく、伺いました」
「・・・・・・お待ちください」
少し年齢が上の男性だろうか、丁寧な受け答えに拍子抜けする。
ドアが開いてそちらを見ると、白シャツに黒いパンツの男性が出てきた。
白髪交じりで目つきが鋭い。
頭を下げると、
「美東はおりません。
ですが組長が貴女にお会いしたいと言っております。
いかがされますか?」
いないなら追い返されると思っていたが、組長さんが私に話とはなんだろうか。
そもそも何故私と。
だけど美東さんと会いたいと思う以上、お会いするのが筋なのかもしれない。
「是非」
私の答えに彼はどうぞ、と私を敷地に招き入れた。
グレーの壁が家の周囲を覆い、いくつも防犯カメラが見える。
間違い無ければこの家が『藤代組の本部』であるはず。
美東さんが姿を消した後、私はすぐに藤代組の事を調べることにした。
今までも時折調べていたけれど、それは美東さんの事ばかりだった。
だが今回は本部の場所だ。
有名な地図サイトでは、著名人など大きな邸宅は当事者の申し立てにより画像の地図などでモザイクをかけられている。
それらしき場所をネットでいくつか見つけ、私は一番可能性の高いであろう場所に来た。
この都市で仕切っているのなら、本部もこの都市にあるはずだから。
呼吸を整え、自分の身長を軽く超える大きな扉の横にあるインターホンを押した。
「・・・・・・はい」
「突然の訪問、申し訳ございません。
私、一谷綾菜と申します。
美東さんにお会いしたく、伺いました」
「・・・・・・お待ちください」
少し年齢が上の男性だろうか、丁寧な受け答えに拍子抜けする。
ドアが開いてそちらを見ると、白シャツに黒いパンツの男性が出てきた。
白髪交じりで目つきが鋭い。
頭を下げると、
「美東はおりません。
ですが組長が貴女にお会いしたいと言っております。
いかがされますか?」
いないなら追い返されると思っていたが、組長さんが私に話とはなんだろうか。
そもそも何故私と。
だけど美東さんと会いたいと思う以上、お会いするのが筋なのかもしれない。
「是非」
私の答えに彼はどうぞ、と私を敷地に招き入れた。