紳士な若頭の危険な狂愛
「お付き合いをしたいという気持ちはあります。
ですが一般人同士のような交際が出来ないというのも頭だけでは理解しています。
でもまずは美東さんと話がしたいんです。
何故私を探していたのか、そして部屋の鍵を渡して期待させるような事をしたのか。
私にはわかりませんので」
美東さんに強く惹かれている、それは今も変わらない。
だけど彼と、まともに話したことがそもそも無かった。
彼の考えがわからない。
彼が私をどう思っているのかも。
だから、彼と顔を見て話がしたかった。
組長さんはお茶を飲むと、私に視線を向けた。
「義隆は近いうち、この組を継ぐ。
俺の養子となることも決まっている。
俺は子供がいないんでね。
あの女は後妻になるが、義隆が組を継ぐことを承知した上で夫婦になった。
そのうちあいつも身を固めるだろう。
その相手がカタギである事は無い」
私が相手になることは無い、そう言われて唇をかむ。