紳士な若頭の危険な狂愛
「貴女が心配だとタクシーの後を部下につけさせ、何か起きても対処できるよう見張りもつけていました。
当然貴女の素性も調べた。
苦しい境遇ながらも腐らず、世の中を憎まず、正しいことを貫く女性。
知れば知るほど私の本能が訴えてくる。
『この女が欲しい』と」
美東さんの目に縛られたように動けない。
私の首を、彼の長い人差し指がすっと撫で、驚きのあまりひゃ、と声を出した。
「この細く真っ白な首に、真っ赤な首輪をつけたら似合うだろうな、と想像したり」
首輪?!彼の口から出た言葉に耳を疑う。
だが彼は優しい表情のまま今度は私の手首を指で軽く撫で、その度に反応する私を楽しんでいる。
「何のアクセサリーもしていない手首には、素敵な手錠をつけてベッドから逃れられないようにしたい。
永遠に、私が貴女を愛せるように」
彼の表情は優しい。
声も穏やかで、脳内をゆっくりと溶かすような低い声なのに、紡がれる言葉の落差に戸惑う。