紳士な若頭の危険な狂愛
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「入っても良いですか?」
ドアの向こうから聞こえたノック音と声に、どうぞと声をかけた。
入ってきたのは白のタキシードで胸元には小さな花束をつけた美東さん、いや義隆さんが立っていた。
新婦の控え室に入ってきた義隆さんは、純白のドレスに身を包み座っている私の側に来て愛おしそうに見つめる。
「実に美しいです。
すみません、感動すると言葉が出ないものですね」
「ふふ。
義隆さんもすごくタキシード似合っています。
格好よくて自慢して回りたいくらい」
そう言って笑った私を、後ろから義隆さんが抱きしめる。
「すみません、綾菜の大切な人達を呼べなくて」
「良いんです、この世界を私は選んだのですから」