いつしか愛は毒になる
「いいお天気ね」

外に出れば、雲一つない鮮やかなブルーが空を覆っている。

「サレ妻には幸せになる権利があるの……」

私はポツリと呟いた──それは、私自身にも言えることだ。

(いつか……探し見つけた暁には……)

私は、《《あの女》》のことを考えながらポケットからタバコを取り出すと口に咥えた。

その時、スマホがメッセージを告げる。目を通した私はすぐに承認ボタンを押し、依頼主に返信をした。

「待っててね……いま助けてあげるから。私は貴方の味方よ」

スマホの画面を見ながら微笑むと、私は青空に向かって白い煙を大きく吐き出した。




2023.7.31 遊野煌

※フリー素材です
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