【短】水溜まりに映る花火は、綺麗だった
不幸な日々-家庭-
Side:???
7月も末になって、高校生活初めての夏休みが始まった。
いじめられる心配が無いから安心だ、なんてこともなくて。
私はお酒の匂いが絶えない家の中で、空き缶と空き瓶をせっせとゴミ袋に入れて歩き回っていた。
リビングは父のスペースだ。
ソファーにぐでっと体を預けて、上を向きながら大きないびきをかいていても、文句なんて言えやしない。
足音ひとつ立てるだけで怒るし、機嫌が悪い時に視界に入ろうものなら、手近なゴミが飛んでくる。
だから父が寝ている間のゴミ収集は、自分の身を守る意味も持っていた。
この時間は多少物音を立てても平気だから、他の家事もなるべく済ませてしまいたい。
後片付けに掃除、洗濯、ご飯の下準備まで、忙しなく動き回っていたら、父が起きるのはあっという間。
7月も末になって、高校生活初めての夏休みが始まった。
いじめられる心配が無いから安心だ、なんてこともなくて。
私はお酒の匂いが絶えない家の中で、空き缶と空き瓶をせっせとゴミ袋に入れて歩き回っていた。
リビングは父のスペースだ。
ソファーにぐでっと体を預けて、上を向きながら大きないびきをかいていても、文句なんて言えやしない。
足音ひとつ立てるだけで怒るし、機嫌が悪い時に視界に入ろうものなら、手近なゴミが飛んでくる。
だから父が寝ている間のゴミ収集は、自分の身を守る意味も持っていた。
この時間は多少物音を立てても平気だから、他の家事もなるべく済ませてしまいたい。
後片付けに掃除、洗濯、ご飯の下準備まで、忙しなく動き回っていたら、父が起きるのはあっという間。