【短】水溜まりに映る花火は、綺麗だった
見つけたら、拾うもの。
今はそんな習慣になっている。
最初に捨てられた動物を拾ったのは、どんな理由だったか。
……昔過ぎて、覚えてないな。
「昔からの習慣だ」
「習慣ね~。そのうち人間拾い出したりして」
「人間なんて拾うものじゃないだろう」
「あ、また冷たい目ぇした! 分かんないだろー? 優しい氷柳様なら、捨て犬みたいな子供がいたら拾ってくるかもしれないじゃん」
嫌な想像をするやつだな……。
1人2人くらいは面倒を見れるだろうが、そんな事態は無いのが一番だ。
「迷子の面倒見る姿とか似合うもんな~」
「いつから迷子と出会う想定になったんだ?」
そんな風に、連れの軽口に付き合ったものの、俺は家に帰ってから無視できないもやもやを感じた。
……まぁ、備えて損は無い。
そんな思いで、人間1人を住まわせられる環境を、数日中に整える。
俺の頭に浮かんだのは、宿無しとなった連れを家に住まわせる場面だったが。