【短】水溜まりに映る花火は、綺麗だった
お尻がじんわりと冷たくなる。

それが体の中にも浸透したように、心がどんどん冷めていくのを感じた。


……どうして。




「お前が悪いんだ! 全部全部、お前のせいないんだ~!」




どうして、こんな目にばかり遭わないといけないの?

髪を掴んで、何度もお腹を足蹴にされる。

たまにみぞおちに当たるつま先が、冷えた体に痛みの波紋を広げる。


鼻の奥がつんとして、視界がゆらゆらと滲んできた。

顔を背けた先にあった水溜まりには、白い包帯が目立つ私の顔がぼやけて映っていて。


病にかかった6歳の自分を、どうしようもなく憎んだ。

それと同時に、酷く悲しくなって、涙がぽろぽろとこぼれる。



私はいつまで、罪を償わなければいけないの?

病気になりたかったわけじゃないのに、いつになったら許してもらえるの?
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