妖しく微笑むヴァンパイア
「つまり! そんなお二人が生徒会長と副会長になられて、一年生は盛り上がっているんです!」
「ちょっ、よくわからないんだけど。それで何故盛り上がれるの?」
由良が率直な疑問を投げかけると、それには璃斗もぴくりと耳を傾けた。
すると心を落ち着かせた書記さんが、
再び口を開いてとんでもないことを熱く語りだす。
「校内トップとも言える人気者同士が、やっと接点を持ったんですよ?」
「はい⁉︎」
「これが友情に発展するか、恋に発展するか」
「な、何を言って――」
「因みに私はどちらかというと恋愛希望です!」
「ちょっともう怖いんですけど」
ついに呆れ顔を浮かべた由良は、冷静ではいられなくなってしまって。
後輩の書記さんと会計くんには今後、じっくりと指導が必要だと考えた。
初めての学園祭予算案会議は、話の脱線を繰り返し余計なことばかりを知ってしまい。
気づけば夕日も落ちていて、すでに下校時間を迎えていた。