妖しく微笑むヴァンパイア



 後期生徒会役員の認証式が無事に終わり、
 全校生徒は列を成し教室へと戻っていく。


 ステージ上にいた書記と会計の一年生も順にステージを降りていき、
 その後を由良が続こうとした時、背後から優しく声をかけられた。



「城之木さん、後期の間よろしくね」
「こちらこそよろしく、有川(ありかわ)璃斗(りと)くん」



 彼は後期の副会長に選ばれた、有川璃斗。
 同じ二年生だが由良とは教室が端と端で一番離れているため、
 会話をしたのは今のが初めて。

 自然な黒色のナチュラルマッシュヘアに、人を惹きつける朗らかで爽やかな笑顔。
 学校指定のグレーのニットカーディガンがまた似合っていて、モテ感を演出している。


 一見、運動部に所属していそうなクラスの中心的存在らしい彼は、
 本日より後期の副会長になった。



「同じ学年だし“璃斗”でいいよ」
「じゃあ、璃斗くん」
「俺も“由良ちゃん”って呼んでいい?」
「……う、うん」
「良かった、ありがとう!」



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