あのメガネアイドルは…。
空気
羽村「あの、中村くん、職員室で先生に呼ばれてるよ
俺、代わりに片付けとくわ」
美術室のドアにもたれる羽村がそう言った。
安心したような顔の中村。
真白(わかりやすいやつ)
中村「あ、わかった。頼むわ」
早歩きでその場から離れて
教室を出る頃にはそれが駆け足に変わっていた。
羽村は、教室を出て行った中村が廊下を走っている背中をチラッと見てから、美術室に入った。
いつかの日の如く、真白と羽村に会話はない。
羽村は水道を出してパレットや筆を洗う。
真白は机を拭き終え3つ離れた水道で布巾を洗って干して、羽村の横に並んで同じくパレット類を洗う。
話すことも特にない間柄の2人。
なのに真白にとっては中村がいたときより、体が軽くなった。