あのメガネアイドルは…。
引き寄せられる

絵の具


だけど、真白には気になることがあった。


真白「中村くんが呼ばれてるってほんと?」

真白はチラッと横を見た後、また自分の手元に視線を戻した。

羽村「んー」


答えを考えるような質問じゃない。

嘘が本当か。 


だけど羽村は洗っていたパレットを置いて、次に洗う筆を手に取って…。  

作業を止めることはなく悩んでるように振る舞った。  


それから、手に取った筆を水につけるふりをして
  

羽村「嘘」


真顔でそう言った後。


真白の方を向いた。

あの日、花火をした時と同じように口角を上げてから、手にあった筆で真白の鼻に絵の具をつけた。
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