あのメガネアイドルは…。
秘密
あなたって
羽村は絵の具がとれたこともあってかどこか、すっきりした様子でベンチへ。
真白もそれを追って隣に座る。
さっきとは違う緊張感。
「綺麗」
真白がそう言った瞳に真白は見覚えがあった。
沈黙の中。
聞いてはいけないかもしれない。
だけど好奇心とかではなく、彼のことを知りたい。
彼が自分の前でその瞳を見せた訳。
頭で決意する前にそれが言葉となってしまった。
真白「羽村くんってBellの…」
羽村「うん」
アイドルグループBellには
純というメンバーがいる。
純は透明感のあるグレーの瞳。
透明感のある歌声。
しなやかで軽やかなダンスが特徴的。
それから、純はいつも黒縁の丸メガネをかけている。
ミステリアスなメンバーで自分のことを多くは語らない。
だけど、確かな実力と彼のオーラに惹かれる人は多くいる。
そして
羽村純がBellの純だった。
なんと言葉を言えばいいのか真白が戸惑っていると、小さく笑った羽村。
羽村「引いた?
アイドルが問題行為ばっかりとか。
真白にしたこととか」
真白にしたこと。
絵の具とそれから、キス。
真白はそんな考えが頭の片隅にもなかったため思いっきり首を振って否定した。