あのメガネアイドルは…。
そういうこと
恋には壁も必要かもしれない。
でも、その壁を1人で越えられるのだろうか。
廊下の隅で先生と真白が向かい合い目が逸らせない。
その横を他の生徒たちが通って行く。
真白「えっと…ちょっとしんどくなっちゃって…」
真白は言葉に詰まった。
こめかみに手を当てて、完全にお手上げの状態。
そんなときに白馬に乗った王子様は現れるのだろう。
羽村「それで、僕が家まで送りました」
後ろから真白に肩を組んできたのは羽村だった。
そして、そんな羽村を見た先生は表情を変えた。
明らかに動揺している。
全く、真白の目を見ない。
真白の方を見ない。
先生「そう、羽村くんが…ね」
何か言いたげな顔をした。
でも、先生はその言葉を飲み込み
先生「次からは先生にも言うようにね」
怖い作り笑いでそう言っていなくなった。
羽村「おはよ、真白ちゃん」
羽村は肩を組んだまま、真白の顔を覗き込む。
真っ黒の瞳。
真白「おはよう、羽村くん」
先生の圧にさっきまでルンルンだった真白は、疲労を感じた表情に。
羽村「ね、こんな感じよ。いつも」
先生が去っていった方を眺めながら言う。
昨日の言ってたこと
羽村「学校の先生とかはさ、俺がいくら悪さをしても注意で終わり」
それはこういうことだった。