あのメガネアイドルは…。
お弁当
○休み時間
羽村「僕がワンコを拾ったので手伝ってもらったんですよ」
廊下の端で羽村と真白の前に立つ先生。
その横を他の生徒たちはチラッと見ながら通り過ぎて行く。
また、言葉を飲み込んだように。
先生「わかりました」
羽村は口角だけをあげた表情、真白は目尻を下げただけの表情で互いに目を合わせた。
○数日後のお昼休み。
女子「真白ちゃん、一緒にご飯食べよ!」
男子「真白ちゃんのお弁当って
すっごいおいしそうだよね、いつも」
男子「まじ?俺も見たい!」
真白「あ、ごめん、今日はちょっと」
女子「えー真白ちゃん居ないと盛り上がらないよ」
男子「そうそう!華がないよ!こいつらじゃ」
ある男子が周りの女子たちを指差した。
すると、当然のことながら大ブーイングが。
その隙に
真白「じゃ、またの機会に」
真白は作った笑顔で教室を出た。
この日は約束をしていたのだ。
体育館裏、あのベンチでお昼を一緒に過ごすこと。
だから、どんな手を使ってでもこの教室から出なければならなかった。
隙をついた真白は好評のお弁当が崩れるのではないかと心配になるほどに走って、羽村の元へ向かった。