あのメガネアイドルは…。
彼女の存在とは 2
10分の休み時間を全て、その景色を眺めることに使った。
正確には、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴る2分前にそこから立ち去った。
下る階段は重力的な話で言えば身体は楽なはずだが、登りとは違ってとても重たかった。
意味のわからない授業を45分、聞き流した癒しのように次の休み時間も…。と、あの風を浴びて交差点を見ていたかった。
そんな真白の願いは叶わず真白の周りを囲む人々。
前から2番目、端の廊下側の席。
真白が椅子からお尻を浮かせた瞬間に後ろの席の女子が、真白の肩を叩いた。
それが合図なのか、集まり出した人達。
女子「カラオケ行かない?」
男子「あり!」
女子「そういえばもうすぐBellの新曲出るんだって!!」
男子「真白ちゃんも行くでしょ?」
ここでNOを選んだなら、明日から真白の居場所はどこにあるんだろう。
真白「うん!」
真白を中心に集まった。
真白を求めた。
真白といる自分を愛する。
そんな人しかここにはいない。