あのメガネアイドルは…。

わからない

○数週間後


ここのところ羽村は授業中でも、お昼休みに真白と会っても寝ていることが増えた。 
 

Bellの最新曲を様々な歌番組で披露し、雑誌の取材やレッスンにリハーサルなどで、放課後は大忙しだ。



○お昼休み


羽村「真白ちゃん〜癒し〜」

羽村は真白を見つけるや否や隣に座って横から抱きついた。

肩に顎を乗せる。


お昼休みにこのベンチで会うことは2人にとって恒例になっていた。


真白「お疲れ様だね、今日も」

羽村「…うん」


もうすでに寝てしまいそうな声。


真白「ちゃんと食べてる?」

羽村「う、ん」


羽村は少し顔を上げて、真白の頬にキスをひとつ。

 
羽村「栄養満点」

今にも瞑ってしまいそうな目。

真白「何言ってんの」

照れ隠しで笑ったように言う。


羽村は真白に背中を向けて真白にもたれかかり上履きを脱いで、ベンチで三角座りをして眠ってしまった。


あまり大きくは動けない真白。

横目で羽村の表情を見る。


その表情が真白を苦しくさせた。

涙を流していたから。



真白(お仕事のことなのか、学校のことか。

他になにを羽村くんは抱え込んでいるのか。

こんなに近くにいても何もわからない。)
< 50 / 85 >

この作品をシェア

pagetop