あのメガネアイドルは…。
傷
そんな周りの声に乗せられたわけじゃない。
羽村はもとから決めていた。
羽村の肩を殴って、歓声を浴びていい気になっていた上野の顔を目掛けて殴った。
上野は羽村のように考える暇はなかったのだろうか。
見事にヒットした。
上野「テメェ」
だけど、今度は羽村にも考える暇はなかった。
羽村の顔に当たった上野の拳。
羽村は口が切れて、血の味がした。
さっきまで見ていただけの女子達が悲鳴を上げる。
羽村(馬鹿馬鹿しいやつ。
血が出ないなら、殴りあいも見てられるなんて)
騒ぎに気づいた先生たちが辺りに駆け寄ってくるが、その間に上野の顔はあざが2つ。
羽村の顔は口元の傷と頬からも血が出た傷が。
先生「何してんだ!」
先生「辞めろ!お前ら!」
立つだけでやっとだった羽村は
蒼井「羽村!」
羽村「あおちゃ、ん」
廊下に座り込んで、壁にもたれかかった。