あのメガネアイドルは…。
簡単な世界
視線
○次の日
羽村は絆創膏をつけた顔で登校した。
教室に行くまでに蒼井先生とすれ違ったが、羽村は目を合わせるどころか真っ黒な瞳で軽蔑し、その姿を視界にいれなかった。
羽村が入るとざわつく教室。
昨日のことはもう皆が知っているようだった。
だけど、その視線にはもう慣れた。
はずだったけど…。
あの喧嘩から数日が経って、絆創膏を外した日が続いた頃。
教室に入った羽村への視線が一気に集まって、それは今までとは違っていた。
3人〜5人ほどの仲良しグループが話している。
女子「ほら、話しかけなよ」
女子「いや、待って無理なんだけど」
男子「これマジなの?」
男子「まじだろ、卒アルとか出てきてるし」
そんな会話が聞こえてくる。
羽村の少し後に教室に入った真白もその様子に気づいた。