あのメガネアイドルは…。

校内放送


真白は放送室へ向かった。


放送室の扉を開けてもう一つ大きな分厚いの扉も開け、学校中に声が届くマイクのある部屋へ。


カフをあげて躊躇いなく話した。



真白「今、あなたちが広めていることって事実なの?」


突然の校内放送に、裏口から車に向かって歩いていた羽村も先生たちも足を止めた。


先生「誰だ、こんな勝手なことをしてる奴は!」


羽村はすぐにわかった。

だから、無理やり前へと歩かせる先生たちに反抗した。


先生「落ち着きなさい!ちゃんと家に送るから!」




真白「嘘が本当かもわからないことを人から人に

ある時はSNSで全世界へ。

SNS上であなたたちが

あーだこーだ言っている人って誰なの?

知り合い?クラスメイト?

友達だって言ってる人もいた。

だけど、誰もその人の全てを知らない。

人の奥底なんて本人以外には誰にも知り得ない

友達でも親友でも家族でも。

だから、自分以外を侮辱出来る人なんていない。

その人の行動や言葉の裏に何があるか知らないくせに。

一度言った言葉はもう元には戻らないのに。

誰かが否定しようが謝罪しようが誰かのなかに一生残り続ける。」


学校中に放送されているこの言葉たちに顔をしかめ始める生徒や焦り始めさっきのSNSの投稿を削除する生徒。    

逆に

「何様だよ」

「黒歴史だな」

そう笑うものもいた。


真白「先生や親ですら、知った気になって


その人の何を知ってるって言うの!」

感情的に出てきた言葉。



真白は肩で息をして、そこにあったキャスター付きの椅子に座り込んだ。



放送室に来た先生によってカフが下された。

先生「こんなことしてどうなるかわかているのか」






どうなったって構わなかった。

ただ、羽村を悪く言ったやつを許せなかっただけだから。
< 78 / 85 >

この作品をシェア

pagetop