あのメガネアイドルは…。
昼間に
羽村は真白と目を合わせ、確かに真白の存在を確認した上で、何も言わずに手にあった花火にライターで火をつけた。
彼は屋上の真ん中、真白はドアから動けずにいる。
真昼の花火。
それは太陽に負けないほどに光を放っていた。
自分はここにいるんだ!というように。
羽村「明るいときの花火って見たことなくない?」
何も言っていない
彼を見つけた場から一歩も動いていない
そんな真白に少し目線をやってそう言った。
真白は羽村を怖いと思ったことはなかった。
関わりもないただのクラスメイトであったし、見た目で人を判断するほどに自分に自信がなかったから。
真白は自分のことで精一杯だった。
だから怖いとは思ったことないけど、この状況で何と言えばいいのか。
話しかけてきたことに驚きはしたものの、表情は変わらない真白。
ゆっくり足を前に出して、羽村との距離を縮めた。