あのメガネアイドルは…。

結局



○1ヶ月後。


真白は学校に登校した。


教室に入った途端、周りからの視線。


完全には同じではなくとも、羽村もこれを受けていたのか。

そう思った。


席につく。


もうこの教室では、ファンだった人以外は羽村、(スミ)の話はしていない。


また、別の俳優のドラマの話題やゲームの話題。


あの日、最後に(スミ)に話しかけた女子は相変わらず

「ここに(スミ)くんがいたとか信じらんない!」

「ね!テレビ見ててもすっごく不思議!」



そんな様子を冷めた目で見る以外真白にできることはなかった。


周りはあの羽村がいた空席にも慣れたようだった。


しかし、Bellは今日もテレビで収録のパフォーマンスが放送される。

この学校で、あーだこーだ言っていた奴らの言葉などBellの活動に大きくは関係しない。


長い1日だった。

真白は電車に揺られて下校中。

窓の外を眺めながら思う。

Bellの活動に影響しなくても、(スミ)の心に残った傷はどうしたら癒えるだろう。

心の傷が癒える日は来るのだろうか。


電車を降りてエスカレーターを下る。

改札を出たところに羽村がいた。
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