密事 夫と秘書と、私
私は何もしなくていい。何もしてはいけない。そういう生活をしている。
夫がいつ帰ってきてもすぐに出迎えられるように、常に自宅で待機するよう言い付けられているから。
結婚当初は忙しい間を縫って、月の半分くらいは帰ってきていた夫は、最近はほんのたまにしか顔を見せない。
時々仕事関係のパーティなどに同伴させられることもあるけれど、私は完全なるお飾り。アクセサリー。苦痛な時間。
ふらりと散歩に出かけたいし、誰かと遊びに行きたいし、1人で買い物にだって行きたい。
でも全て叶わない。
必要なものがあれば瀬戸さんに頼むか、外商を呼ぶよう言われているし、家事や食事の用意は毎日お手伝いさんが来てやってくれる。
以前、こっそりマンションから抜け出そうと、1階のロビーに降り立ったら、コンシェルジュに呼び止められ、行手を阻まれ、あっさりと連れ戻された。
私に自由はない。
こんなの幽閉されているのと何ら変わりない。
夫がいつ帰ってきてもすぐに出迎えられるように、常に自宅で待機するよう言い付けられているから。
結婚当初は忙しい間を縫って、月の半分くらいは帰ってきていた夫は、最近はほんのたまにしか顔を見せない。
時々仕事関係のパーティなどに同伴させられることもあるけれど、私は完全なるお飾り。アクセサリー。苦痛な時間。
ふらりと散歩に出かけたいし、誰かと遊びに行きたいし、1人で買い物にだって行きたい。
でも全て叶わない。
必要なものがあれば瀬戸さんに頼むか、外商を呼ぶよう言われているし、家事や食事の用意は毎日お手伝いさんが来てやってくれる。
以前、こっそりマンションから抜け出そうと、1階のロビーに降り立ったら、コンシェルジュに呼び止められ、行手を阻まれ、あっさりと連れ戻された。
私に自由はない。
こんなの幽閉されているのと何ら変わりない。