泣き虫な私が、泣かない社長に愛されてます
「入社式の話の続きしてもいいか?あの日、君の名前を覚えたのは、ただ強そうだったからじゃない」
「君の目が赤かったから」
「え・・・?」
「泣いた後なのかと思った。一番やる気がありそうなやつの目に泣き跡があったから、気になったんだ」
「それからも、君を見かけるたび君の表情が気になった。強そうな君が陰で泣いてないか気になった」
「あの日の君の泣き跡が気のせいであって欲しかった。だから資料室で泣いている君を見つけた時、つい酷い言葉を言ってしまった」
「自分の気持ちに自分でも気づかなくて、強がった。ただ君の泣き顔を見たくなかった」
「でも暗い理由で泣いていると思ったら、君は「前を向くための準備」と言った。その時、君の泣き顔すら愛おしく思えた」