泣き虫な私が、泣かない社長に愛されてます
「ああ。背筋をピンと伸ばして、生真面目そうで、泣きそうに見えなかった。実際は泣き虫だったわけだが」

社長が私の顔を見てクスッと笑う。

「今まで無駄に泣く意味が分からなかったから、泣く奴が嫌いだった。でも昨日、泉さんの意見を聞いて分かった。「前を向くための準備」、俺も試してみたくなった」

「社長はあまり泣かれないんですか?」

「子供の頃は泣くことはあったが、大人になってからは記憶にない。泉さんはよく泣くのか?」

「昔から泣き虫だったので・・・」

私は苦笑いで誤魔化してしまった。
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